菊池:最初にFMV10周年だから何かやろうという話が出たときに、自分はかねがね良い道具にはいい衣が必要だという考えを持っていて、パソコンショップのナイロンバッグは、あまりにもチープで持ち歩けないな…と。
遠藤:中身のPCは20数万円もするのに、外側が数百円程度のケースが多いですね。
菊池:ケースはずーっと使って、中身のPCは新しいものが出て次々に買い替えていく。その変わっていく新しいハードに対してケースと言うのはいつも同じだから、最初に買ったときは給料いくらに対していくらだったと、がんばって買ったという思い出がいつも一緒にあるわけです。当初は自分には不相応かなと買ったけれど、仕事の場などでさりげなく使うと「お、若いのに良いものを使っているじゃないか」とその人の見られ方も変わるわけです。私が使っているシステム手帳も、中身は1500円くらいのに、カバーがコードバンの2万1000円。ビニールのカバーでなくて、コードバンのカバーで出したときに見られ方がぜんぜん違うわけです。これを言い換えると、自分が相手に対して敬意を表していることになるんです。商談や相談に行ったときメモ帳を出すときに、いきなりメモ帳だけを取り出すのと、こういう非常に良いカバーが付いたものを取り出すのと、相手に対して印象がぜんぜん違うわけですね。相手に対する印象やインパクト、あるいは良い印象をずっと持続してもらうというのに、いいんです。私はそういう考えです。
遠藤:単に自分が持っている満足だけじゃないということですね。
菊池:いまや誰もが仕事の道具としてパソコンを使う時代になって、会議に行くにもかつてはA4のノートの代わりにノートPCを小脇に抱えて行くようになっている。システム手帳のカバーに替わるような良いPCケースが今までどうしてなかったのだろう、と思いますね。
遠藤:良い道具を持つと相手への印象とかインパクトが変わるといいましたけど、確かにそういう人をみていると、仕事を良い意味で楽しんでいる、仕事が好きなんだな、とか真摯に向かっているな、とかにも受け取れますね。良いパソコンを持っていることも同じですよね。安いパソコンで済ませるか、それとも本当に気に入った良いパソコンを買うかというところですね。良いパソコンを買うのは単にパソコンオタクとかじゃなくて、仕事に真摯に向かっているとか、それが自分を高めていく道具になるとかね。これだけ良いデバイスを買ったのだから、例えば良いデジカメを買ったのだか良い写真を撮ろうとか、ビジネスの写真でも良いものを撮ろうとか。そういうような、モノがその人を高めていくような効果というか、自分の姿勢がモノに出るというか、意図してないのが一番いいんですけど。例えばコードバンのピッチリした平滑感をきっかけに、会社のビジネスをまじめに考えたりとか。モノと付き合うことで、ツールとして勉強になったら、それはすごいですよね。
菊池:まさしく、良い道具、良いケースを使って。
遠藤:大人ほど、別にカッコつけているんじゃなくて、仕事にまじめに取り組んでいるから金かけているんだなと思いますね。中途半端にやっていると、こいつ無理してとか思うけど。大人になってくると、これは格好とか身だしなみ…というと表面的なことだと誤解を招くかもしれませんが、こう自分を律する軸になるというか、まぁ自分はそんなカッコしてませんけどね(笑)。
菊池:私は革の製品のサンプルを作ったときに、全部自分で使ってみるわけです。いわゆる100円か150円のメモに書く場合は気分もラフな感じになるわけで、ところがきちんと革カバー付きのメモにすると気分も変わる。たかがメモ1枚でも全然違う訳ね。実際に商談などの場でメモするときに、相手がそういうものに興味のある人の場合は、まずそこで見る。そしてペンケースを取り出して、実際に書く。良いものを求めると、どこかで相手と一致することがあるんです。例えば、パソコン界の第一人者の遠藤さんと、革をやっていた自分はいままで全然違う方向から来たのに、このLOOX
T用の革ケースで一致した、というように。
|